ターナー症候群とは【図1】のように性染色体が1個しかない性染色体異常です。女性になります。
【図1】ターナー症候群
完全型とモザイク型があります。当サイトではターナー症候群は両者をまとめて扱います。以下の記述は完全型とモザイク型に適用します。
→ 完全型・モザイク型・異常率
モザイク型にはX/XXとX/XYがあります。当サイトではX/XXだけをモザイク型ターナー症候群として扱い、X/XYは性染色体X/XYモザイクとして扱います。
→ 性染色体X/XYモザイク
最大の特徴は低身長と不妊です。平均身長は成長ホルモン治療を受けなければ138〜139cm、受ければ145〜147cmです。中には150cmを超す事例もあります。少数ながら妊娠に成功した事例もあります。しかし、大半は不妊です。知能は原則として正常です。小学生か中学生になるまで本人も家族も気付かないこともあります。
ターナー症候群は自立できるので、家族を苦しめるわけではありません。学校の送り迎えが必要になることやひとりで外出できないこと、ひとりで留守番できないことがあるわけでもありません。
そのため、当サイトではターナー症候群は完全型もモザイク型も
産んでもいいと判断します。出生前診断でターナー症候群と判定されたからといって、染色体異常という言葉に狼狽し、慌てて中絶しないように注意する必要があります。
完全型ターナー症候群かどうかは絨毛検査や羊水検査で100%の精度で判ります。ヒューマンエラーがない限り、見落とされることはなく、異常がないのに完全型ターナー症候群と判定されることもありません。
→ 絨毛検査と羊水検査の精度は本当に100%か
モザイク型ターナー症候群かどうかと大体の異常率も絨毛検査や羊水検査で判ります。しかし、異常率が極めて低いと見落とされることがあり、極めて高いと完全型ターナー症候群と判定されることもあります。
→ モザイク型の検出精度と限界