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検査の精度


絨毛検査と羊水検査の精度は本当に100%か

絨毛検査と羊水検査の精度は本当に100%なのでしょうか。100%と書いてある文献と100%ではないと書いてある文献が混在しています。どちらが正しいのでしょうか。

→ 絨毛検査
→ 羊水検査

絨毛検査と羊水検査の精度は染色体異常のタイプごとに異なります。

完全型と転座型に対する精度は100%です。ヒューマンエラーがない限り、見落とされることはなく、異常がないのに完全型や転座型と判定されることもありません。完全型と判定されれば必ず完全型か異常率が極めて高いモザイク型、転座型と判定されれば必ず転座型で、陰性と判定されれば少なくとも完全型と転座型ではありません。

しかし、モザイク型に対する精度は100%ではありません。異常率が極めて低いと見落とされることがあり、極めて高いと完全型と判定されることもあります。しかし、ヒューマンエラーと絨毛検査では胎盤限局性モザイク、羊水検査では培養時の分裂エラーがない限り、異常がないのにモザイク型と判定されることはありません。

→ 完全型・モザイク型・異常率
→ モザイク型の検出精度と限界

また、極めて軽微な部分過剰と部分欠損も見落とされることがあります。

→ 常染色体部分過剰
→ 常染色体部分欠損

絨毛検査と羊水検査の精度が100%と書いてある文献と100%ではないと書いてある文献が混在するのはそういう理由によるのです。

絨毛検査と羊水検査は少なくとも完全型と転座型に対する精度は100%です。しかし、NIPT(新型出生前診断)は100%ではありません。そのため、絨毛検査と羊水検査だけが確定診断として扱われるのです。完全型と転座型に対する精度が100%かどうかが重要なのです。