産んでいいドットコム 〜 出生前診断

胎児に障害が見つかったとき

出生前診断の是非

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被差別者による反対


被差別者が反対する理由

以下のグレーの文章は他のページと重複している文章なので、すでに他のページで読んでいる人は読み飛ばしてください。

以下のダウン症とは完全型と転座型だけを指し、モザイク型は含みません。また、以下の記述は症状や性質がダウン症と似た他の障害にも該当します。しかし、発生頻度が高い主な障害の中ではダウン症だけが該当します。

→ 完全型・転座型ダウン症
→ モザイク型ダウン症

以下の記述は一般論なので、必ずしも全ての被差別者が出生前診断に反対しているわけではないことを予めご了承ください。

部落差別や民族差別、国籍差別、性別による差別、外見による差別、マイノリティ差別などの被差別者も出生前診断に反対しています。しかし、被差別者が出生前診断に反対するのはダウン症の親とは理由が異なります。被差別者は自分の問題として出生前診断に反対しているのです。というのは、被差別者は中絶されるダウン症に自分を重ね合わせるからです。

同じ被差別者同士という仲間意識が無意識のうちに働くので、出生前診断と聞くと、あたかも自分が差別されるかのように誤解するのです。あたかも自分が拒絶されるかのように誤解するのです。そのため、出生前診断に反対するのです。

差別が原因で今まで味わって来た苦しみが大きいほど出生前診断に反対する傾向が強くなります。中にはその苦しみが大き過ぎて心の中でマグマが燃え上がるほど激しい怒りになり、その怒りが爆発して左翼活動に闘志を燃やす被差別者もいます。

被差別者の苦しみは社会を改善すれば解消するので、一日も早く差別をなくして被差別者が苦しまなくて済む社会に改善する必要があるでしょう。しかし、ダウン症の家族の苦しみは社会を改善しても解消しないのです。

→ 社会を改善しても家族は苦しむ

被差別者は周囲の人に実害を与えるわけではありません。しかし、ダウン症は存在しているだけで家族に実害を与え、数十年もの長期間にわたって家族を苦しめ続けるのです。そのため、その違いは大きく、根本的に性質が異なるので、同列で語るわけにはいかないのです。

同じ細菌だからといって、人に有益な乳酸菌と有害な病原菌を同列で語るわけにはいかないのと同じです。また、同じ昆虫だからといって、人に無害なセミやチョウと有害なハチやアブを同列で語るわけにはいかないのと同じです。

→ 身体障害者や被差別者とは同列では語れない

そのため、出生前診断に反対しているからといって、被差別者を非難するわけにはいかないのです。というのは、同じ立場に立たされれば誰でも同じことをするはずだからです。被差別者が今まで味わって来た苦しみを理解する必要があります。被差別者を非難するのは気の毒です。

しかし、ダウン症が生まれると通常の家族だけではなく、被差別属性がある家族も苦しむことになるので、注意する必要があります。というのは、ダウン症が生まれたことによる苦しみは被差別者にも容赦なく襲いかかるからです。

→ 被差別属性がある家族も苦しむ