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胎児に障害が見つかったとき

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産んでもいい障害


クラインフェルター症候群

クラインフェルター症候群とは【図1】のように性染色体が3個ある性染色体異常です。男性になります。

【図1】クラインフェルター症候群


完全型とモザイク型があります。当サイトではクラインフェルター症候群は両者をまとめて扱います。以下の記述は完全型とモザイク型に適用します。

→ 完全型・モザイク型・異常率

モザイク型にはXXY/XXとXXY/XYがあります。当サイトではXXY/XYだけをモザイク型クラインフェルター症候群として扱い、XXY/XXは性染色体XXY/XXモザイクとして扱います。

→ 性染色体XXY/XXモザイク

最大の特徴は精子不足と男性不妊傾向です。しかし、人工受精で半数弱がパートナーを妊娠させることに成功しています。知能は原則として正常です。なかなか子供ができないので、診断を受けて初めて発覚することもあります。小さなうちはもとより成人後も本人も家族も気付かないこともあります。

クラインフェルター症候群は自立できるので、家族を苦しめるわけではありません。学校の送り迎えが必要になることやひとりで外出できないこと、ひとりで留守番できないことがあるわけでもありません。

そのため、当サイトではクラインフェルター症候群は完全型もモザイク型も産んでもいいと判断します。出生前診断でクラインフェルター症候群と判定されたからといって、染色体異常という言葉に狼狽し、慌てて中絶しないように注意する必要があります。

完全型クラインフェルター症候群かどうかは絨毛検査や羊水検査で100%の精度で判ります。ヒューマンエラーがない限り、見落とされることはなく、異常がないのに完全型クラインフェルター症候群と判定されることもありません。

→ 絨毛検査と羊水検査の精度は本当に100%か

モザイク型クラインフェルター症候群かどうかと大体の異常率も絨毛検査や羊水検査で判ります。しかし、異常率が極めて低いと見落とされることがあり、極めて高いと完全型クラインフェルター症候群と判定されることもあります。

→ モザイク型の検出精度と限界