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産んでいいドットコム 〜 出生前診断

胎児に障害が見つかったとき

出生前診断の是非

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ダウン症の親による反対


親も被害者

以下のグレーの文章は他のページと重複している文章なので、すでに他のページで読んでいる人は読み飛ばしてください。

以下のダウン症とは完全型と転座型だけを指し、モザイク型は含みません。また、以下の記述は症状や性質がダウン症と似た他の障害にも該当します。しかし、発生頻度が高い主な障害の中ではダウン症だけが該当します。

→ 完全型・転座型ダウン症
→ モザイク型ダウン症

以下の記述は一般論なので、必ずしも全てのダウン症の親が出生前診断に反対しているわけではないことを予めご了承ください。

出生前診断に反対し、妨害しているという理由でダウン症の親がしばしば非難されます。しかし、ダウン症の親も苦しんでいるのです。ダウン症が生まれて苦しんでいるのです。ダウン症の親も被害者なので、その苦しみも理解してください。

ダウン症の親の大半は出生前診断を受ける機会を与えてもらえないままダウン症が生まれた人なのです。ダウン症を産みたくて産んだわけではないのです。出生前診断を受けていればダウン症を産まなくて済んだことを恨めしく思っているのです。

しかし、その思いを公式の場で口に出すと人格を疑われるので、口に出すわけにはいかないのです。ダウン症の親仲間の間でも軽率に口に出すわけにはいかないので、発散する場所を失って心の中でマグマが燃え上がるほど激しい思いになるのです。

→ 本当の理由は口には出せない

しかし、他の人が出生前診断でダウン症を産まなくて済み、苦しまなくて済めばどう感じることでしょうか。よほど人格者でもない限り、不公平だと怒りの声を上げたくなるのではないでしょうか。

ダウン症の親にとってはもうひとつ理不尽なことがあります。それは出生前診断でダウン症を中絶した人には同情が集まることです。それがダウン症の親にとっては理不尽極まりないことなのです。

ダウン症が生まれて苦しんでいる自分には何の同情も集まらないどころか周囲から避けられているのに出生前診断でダウン症を産まなくて済み、苦しまなくて済んだ人には同情が集まることがダウン症の親にとってはどれほど理不尽なことかが分かると思います。

もちろん、出生前診断でダウン症を中絶した人の心の傷を軽く見るのはよくありません。その人も心に大きな傷を残し、精神面のフォローを必要としています。しかし、ダウン症の親はもっと苦しんでいるのです。周囲からの暖かい目を必要としているのです。

ダウン症に対する暖かい目が必要なのではなく、ダウン症の親に対する暖かい目が必要なのです。両者の違いは大きいので、混同しないように注意する必要があります。

ダウン症の親は最初からそういう人だったのではないのです。ダウン症が生まれてそういう人になっただけなのです。ダウン症が生まれていなければそういう人にはなっていなかったのです。ダウン症の親が悪いのではありません。ダウン症が親をそうさせたのです。

そのため、出生前診断に反対しているからといって、ダウン症の親を非難するわけにはいかないのです。というのは、同じ立場に立たされれば誰でも同じことをするはずだからです。ダウン症の親が今まで味わって来た苦しみを理解する必要があります。ダウン症の親を非難するのは気の毒です。