産んでいいドットコム 〜 出生前診断

胎児に障害が見つかったとき

出生前診断の是非

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身体障害者による反対


身体障害者独自の感覚3

以下のグレーの文章は他のページと重複している文章なので、すでに他のページで読んでいる人は読み飛ばしてください。

以下のダウン症とは完全型と転座型だけを指し、モザイク型は含みません。また、以下の記述は症状や性質がダウン症と似た他の障害にも該当します。しかし、発生頻度が高い主な障害の中ではダウン症だけが該当します。

→ 完全型・転座型ダウン症
→ モザイク型ダウン症

以下の記述は一般論なので、必ずしも全ての身体障害者が出生前診断に反対しているわけではないことを予めご了承ください。

通常の人は通常の中絶よりもダウン症の中絶を容認する傾向があります。中絶はよくないもののダウン症ならばやむを得ないという考え方です。しかし、身体障害者は逆に通常の中絶よりもダウン症の中絶に憤慨するのです。

象徴的な意味では身体障害者から見れば通常の胎児は他人なのです。しかし、中絶されるダウン症は自分なのです。というのは、身体障害者は通常の胎児ではなく、中絶されるダウン症に自分を重ね合わせるからです。

同じ障害者同士という仲間意識が無意識のうちに働くので、ダウン症の中絶と聞くと、あたかも自分が中絶されるかのように誤解するのです。あたかも自分が拒絶されるかのように誤解するのです。そのため、他人(通常の胎児)が中絶されることには無関心なのです。しかし、自分(ダウン症)が中絶されることには憤慨するのです。

というのは、自分(ダウン症)が中絶されるくらいならば他人(通常の胎児)が中絶される方がマシだという意識が無意識のうちに働くからです。

それだけ身体障害者は通常の人とは感覚が正反対なのです。そのため、身体障害者と出生前診断の是非を議論してもどこまで行っても平行線になることが多いのです。ダウン症の親はそれなりの条件や環境が整えば出生前診断を容認することもあります。しかし、身体障害者が出生前診断を容認することはほとんどないのです。

しかし、ダウン症が生まれると通常の家族だけではなく、身体障害がある家族も苦しむことになるので、注意する必要があります。というのは、ダウン症が生まれたことによる苦しみは身体障害者にも容赦なく襲いかかるからです。

→ 身体障害がある家族も苦しむ